インプラントとは？

インプラントは、失った歯を補うために顎の骨に人工の歯根を埋め込み、天然歯のような機能と見た目を再現する治療法です。
健康な歯を削る必要がないため、審美性と機能性に優れ、入れ歯やブリッジの代わりとして広く選ばれています。インプラント治療は、事故や歯周病で歯を失った人や、先天的に歯が欠損している人などが対象となり、健康状態が良好であれば年齢を問わず多くの人が治療を受けられます。

インプラントの構造と特徴

インプラントは、人工歯根（インプラント体）、支台（アバットメント）、上部構造（人工歯）という三つの部分から成ります。
インプラント体は顎骨に埋め込まれ、骨と結合することで安定した土台となり、その上にアバットメントと人工歯が取り付けられます。この構造により、天然歯とほぼ同じような機能を再現し、噛む力をしっかりと伝えることが可能です。適切なケアを行うことで10年以上の長持ちが期待できます。

インプラントが適したケースと選択肢

歯を失った場合、入れ歯やブリッジなどの選択肢がありますが、インプラントは健康な歯を削らないため、歯が欠損した際に隣の歯に問題がない時などに適しています。
入れ歯は取り外しができる利便性があるものの、審美性や耐久性に課題があり、ブリッジは両隣の歯を削る必要があるため、他の歯への影響が懸念されます。
一方、インプラントは顎の骨に直接人工歯根を埋め込むことで、しっかりと固定され、見た目や機能性で天然歯に近い感覚を取り戻すことができるため、多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。また、顎の骨に刺激を与えるため、骨の減少を防ぐ効果も期待できます。ただし、顎骨や健康状態によっては適さない場合もあるため、事前の相談が重要です。

インプラント治療の流れとメンテナンス

インプラント治療では、まず詳細な検査を行い、口腔内の状態や顎骨の健康状況を確認したうえで、治療計画を立てます。

インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、顎骨の状態が治療成功のカギを握ります。顎の骨が健康で厚みがあることは、インプラントの装着に適した条件です。しかし、長期間の歯の欠損状態が続くと、顎骨が吸収され薄くなることがあります。顎骨が不十分な場合、インプラントの寿命も短くなり、治療が難しくなる場合があります。そのため、インプラント治療を検討する際には、歯科医による詳細な診断と、顎骨の状態を確認することが重要です。場合によっては、骨を補う治療を施してからインプラントを行うこともあります。

顎骨に問題が無い、または問題が解消されれば、インプラント治療を開始します。
治療は、インプラント体を顎骨に埋め込む手術から始まり、骨としっかり結合するまでに数ヶ月の期間を要します。手術後は安静にし、経過観察を受けます。結合が確認された後、アバットメントと人工歯を取り付けることで治療が完了し、見た目と機能性が回復します。

術後のケアとインプラントの寿命

インプラント治療後のケアは、治療の成功とインプラントの長持ちに欠かせません。術後は麻酔が効いている間は食事を控え、傷口を守る必要があります。さらに、日常的には柔らかい歯ブラシを用いて適切な衛生管理を行い、飲酒や喫煙を控えることが推奨されます。定期的な歯科医院でのメンテナンスも欠かせません。問題が発生した場合には、早急に対応することがトラブルの未然防止につながります。インプラントは適切な管理とケアにより、寿命を10～15年程度まで延ばせるとされています。