歯周病が引き起こす5つの重大疾患:あなたの全身が危ない
今日は口腔内の健康が全身の健康にどのように影響するかについてお話しします。
まず、私たちの口の中には300~700種類もの細菌が生息していることをご存知でしょうか。健康な状態では、これらの細菌はバランスを保っていますが、口腔ケアが不十分だとこのバランスが崩れたり、細菌数が増えすぎて、様々な問題を引き起こす可能性があります。
1. 心臓疾患との関連:
歯周病菌が血流に入ると、動脈硬化を促進したり、心臓の弁に付着して炎症を起こしたりする可能性があります。これは心筋梗塞や脳卒中など血栓症のリスクを高める要因になります。
2. 糖尿病との関係:
歯周病と糖尿病は双方向に影響し合います。歯周病があるとインスリンの効きが悪くなって血糖値のコントロールが難しくなり、逆に糖尿病があると歯周病が悪化しやすくなります。
3. 肺炎のリスク:
口腔内の細菌が気道に入ることで、特に高齢者や免疫が低下している方では誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。
4. 妊娠への影響:
妊婦さんの歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があるという研究結果もあります。
5. 認知症との関連:
最近の研究では、歯周病菌が脳に到達し、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高める可能性が示唆されています。
これらの関連性を考えると、口腔ケアの重要性がより明確になりますね。毎日の丁寧な歯磨きやフロス使用、定期的な歯科検診が、単に虫歯や歯周病の予防だけでなく、全身の健康維持にも繋がるのです。
また、口腔内の健康状態は全身の健康状態を反映することもあります。例えば、口腔内の粘膜の変化や出血しやすさなどから、ビタミン欠乏や血液の異常を早期に発見できることもあります。
ですから、歯科医院での定期検診は、口腔内だけでなく全身の健康チェックの機会にもなるのです。何か気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
口腔ケアは全身の健康に直結します。日々のケアを大切に、そして定期的な検診をお忘れなく。皆さんの健康的な生活のために、私たち歯科医師も全力でサポートさせていただきます。