オーバーブラッシングに注意しましょう
虫歯の予防に必要な毎日の歯磨きですが、正しい磨き方をしないと、逆効果になってしまう事があります。
お風呂や洗面台の掃除なんかで、しつこい汚れを落とすためにブラシでゴシゴシする事があると思います。
「強くこする程よく落ちる」ため、つい力が入ってしまう事もありますね。
でも、同じことをお口の中でやってしまうと、どうなるでしょう。
「歯垢を残らず落とそう」「歯を白くしたい」とかで、硬い歯ブラシで力を入れて歯を磨くと、2つの問題が起きます。
歯が削れる
ひとつは、歯が削れてしまう事です。
歯磨き粉を付けて磨く事は、お掃除で言えば粉末クレンザーで磨くようなものです。
金属のシンクをクレンザーの付いたたわしで力いっぱい磨けば、傷だらけになったりしますよね。
歯も同じです。適切なブラッシングなら良いのですが、力を入れすぎると汚れが落ちるだけでなく、歯も削れます。
せっかく虫歯予防のために歯磨きしているのに、自分で虫歯のように歯を削っては意味がありません。
歯茎にダメージ
もう一つは、歯茎がダメージを受ける事です。
歯磨きでは歯ブラシの「毛」と「歯」と「歯茎」が触れ合う事になります。
この3者の中で、一番弱いものはどれでしょう。
歯ブラシの毛の硬さにもよるでしょうが、大抵は「歯茎」が一番弱いのではないでしょうか。
力を入れすぎる歯磨きは、歯茎にダメージを与え、出血したり歯茎が下がる症状の原因になる事もあります。
こういった「力を入れすぎる歯磨き」の事はオーバーブラッシングと呼ばれています。
何事も、やりすぎは良くないという事ですね。
◆対策は◆
一番の対策は力を入れすぎない事です。
多くの方は、力を入れすぎている事が多いように感じます。
松﨑歯科医院ではブラッシング指導を行っており、気になっている方はご相談ください。
他の歯科医院でも、相談すれば応じてくれる医院が多いと思います。
すぐにできる簡単な対策としては、もし硬い歯ブラシを使っている場合は、柔らかいものに替えるという方法があります。
多くの歯ブラシは毛の硬さを選べます。
「硬め」なら「ふつう」に、「ふつう」なら「柔らかめ」にします。
ただし、歯ブラシを替えた結果、歯磨きの効果が低下しては意味がありません。
歯ブラシを替える場合も、時間を見つけてブラッシング指導を受けていただくのをお勧めします。
なお、歯磨き剤の中には研磨剤を含まないものもあります。
そういった歯磨き剤を使った方が良いかどうかは一概には言えませんので、使ってみたい場合はかかりつけの歯科医師に相談されると良いでしょう。