口は万病の元、歯周病は増加の一途をたどっています。

歯周病は、歯に付着した細菌膜から飛び出した歯周病菌が歯肉に侵入し、歯肉や骨を破壊し、やがて歯を失う感染症である。歯周病菌は「死に至る菌」とも呼ばれ、悪性の歯周病菌を注射したマウスは全身の臓器が侵され死んでしまうと言われるほど、毒性が強いとされています。

歯周病菌は歯ぐきの血管から血液中に入り、全身の血管や臓器を攻撃する。血流に入ることで高い病原性を持ち、全身疾患の発症や進行に寄与し、認知症、リウマチ、がん、糖尿病など、全身の100種類以上の疾患に関与することが明らかになっています。また、歯周病の全身炎症が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の合併症のリスクを高めるメカニズムも解明されています。

また、歯周病の進行は、噛み合わせの状態や歯の本数など、さまざまな要因が関係しています。その中で、歯を食いしばる習慣がある人は、そうでない人に比べて歯周病の進行リスクが4.9倍高いことが明らかになりました。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科で行われた研究では、噛み締めない生活を送れば、歯周病の進行を止めることができるという理論ですが、習慣は無意識のものなので、実際に止めることは難しく、歯周病菌をコントロールすることが最も現実的な方法だと思います。

虫歯や歯周病の発症を防ぎ、口腔内環境を整えることで全身の健康に大きな影響を与える予防歯科は、日常的に自分で行う「セルケア」と、定期的に歯科医師が行う「プロフェッショナルケア」の組み合わせで行うことが大切です。

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