歯周病は万病のもと

歯周病はお口の中の病気で、歯周病菌が原因だと一般には言われています。

ですが、実は「歯周病菌」という名前の細菌は居ません。
プラーク(歯垢)の中には多くの細菌が見つかります。
その中には、歯周病の原因になる何種類もの菌があり、それらを一まとめにして歯周病菌と呼んでいます。

細菌に原因する病気の多くは1種類の原因菌で発症しますが、歯周病は複数の原因菌が関係していて、どの細菌とどの細菌が連携していると言った関係性は、厳密には解明されていません。

その代わり、いくつかの細菌については、体の中で他の病気などと関係していることが判ってきています。

妊婦さんにある早産や低体重児出産のリスクについては先日ご紹介しましたが、他にも、認知症や糖尿病、誤嚥性肺炎、さらに心筋梗塞や動脈硬化にも関係する菌が知られており、今年は食道がんに関連している疑いがあるという研究も発表されました。

食道がんはがん検診でも対象外であることが多いため見つかりにくく、しかも周辺に広がりやすいと言われているハイリスクな病気です。

昔から「風邪は万病のもと」と言われてきましたが、同様に「歯周病は万病のもと」と言っても良いかもしれません。

歯周病予防・改善にはプラークの除去が効果的ですが、毎日の口腔ケアで全てを除去し切る事は困難です。
残ったプラークはやがて歯石となり、これは歯科医院で無いと発見・除去できません。

ですので、定期的な歯科検診をお勧めします。

本年もお世話になりました。
美味しいものが食べられる良い年末年始をお迎えください。

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