人工の歯でも、口腔ケアは必要
前回に続き、今回も人工の歯についてお話ししましょう。
自分の歯には、むし歯や歯周病が発生するため、日々の口腔ケアが必要です。
では、人工の歯ではどうでしょう。
ここでは、単に歯冠を被せただけではなく、インプラントを入れた、根から歯冠まですべて人工になった歯について考えます。
むし歯は発生しません。
虫歯菌と呼ばれている細菌たちが生成する歯を溶かす酸も、歯冠の素材を溶かす事は出来ません。
(自分の歯に歯冠を被せた場合などは、境目から虫歯が始まって、放置していると歯冠の下にまで及ぶ事もありますが、その場合でも歯冠だけは無事に見えます)
ですが、歯周病は発生します。
時にはインプラント周囲炎と呼ばれ、通常の歯周病よりも重い症状になる事もあります。
(この場合、症状は歯茎に留まらず、骨にまで達します)
このため人工の歯でも、きちんと歯磨きなどの口腔ケアを行う必要があります。
むしろ、インプラントを入れられたら、それまで以上にきちんとした口腔ケアで清潔にしておくことが大切です。
そして口腔ケアと言うのは、自身ではきちんと出来ているか判りずらいものでもあります。
当院でも、インプラント治療を受けられた方には、日々の歯磨きのほかに定期的な受診をお勧めしています。
実際のところ、全ての歯がインプラントに置き換わっている事はまず無いでしょうから、インプラントを入れられた方も、隣の歯は自然の歯ですから、歯科医から良く磨くように言われたことを忘れてしまっていても、歯磨き自体は行われていると思います。
ただその時、人工の歯になったんだからと、手を抜いた磨き方になってはいけないという事です。
インプラントを入れたときに歯科医師が行う説明は、よく覚えておきましょう。
判らない点があれば、判るまで何度でも質問すると良いでしょう。